16期活動報告
私たちは2018年12月24日~1月4日までラオスのチャンパサック郡でノンヴィエン・ノンサ小学校にて教育支援を中心に活動しました。
今回の渡航では低学年班は「算数」、高学年班は「水の実験」というテーマで授業を行いました。また小学校での授業以外にも、小学校の先生方との交流、村人の方々との交流、小学校の生徒のお宅に訪問する家庭訪問、生徒たちや先生方とのお別れ会であるフェアウェルパーティーなど、学校の授業だけにとどまらず幅広い活動を行いました。
低学年班授業
【授業テーマ・具体的な授業内容】
<低学年班>
「楽しく算数を学ぶ」をテーマにゲーム要素を盛り込んだ授業を作るように心掛けた。アイスブレイクとして、音楽を流して音楽が止まった時にカードに書いてある数字と同じ人数のグループになるというゲームを行った。午前中はおはじきを使って足し算・引き算をするアクティビティ、おはじきをはじいて止まった場所の点数で競う「おはじきカーリング」というアクティビティを行った。午後はサイコロを子どもたちに作ってもらい、二人組でサイコロを振って出た目の合計を答えるゲームやおはじきをお金に見立てて、すごろくのように止まったマスで商品を買う「お店やさんごっこ」というアクティビティを行った。
【感想】
1~3年生を対象にした授業だったため学年ごとに理解度の差がでてしまった。現地で授業を行うと日本で想定していたこととは違うことが起きることが多かった。ねらい通りに授業が進むことはなかったが、子どもたちが楽しんでくれている様子をみて安心した。
【よかったところ・反省点】
やはり子どもたちの間で授業の理解度の差があったことが問題だったと思う。ゲーム性を盛り込んだ内容にしたつもりだったが、午前中のおはじきを使って計算するアクティビティは、どうしても学年ごとに問題を解き終わるペースが違うため、すでに解き終わる生徒もいればあまり理解できていない生徒もいる状態だった。直接計算をするのではなく間接的におはじきを使って計算をするアクティビティにすればどの学年の生徒も楽しんで参加できるのではないかと思った。ゲームのルールに関してもできるだけ単純になるようにもう少し心掛けてもいいのではないかと思う。また、3学年が1教室にいる状態でどうしても一人当たりの使えるスペースが狭すぎるということもあった。この課題は今期以降も直面するものだと思うので、来期からは教室に大勢の生徒がいる状態にならない前提で授業作りをする必要があると思う。想定と違うことはあったものの、授業に楽しんで参加してくれる子どもたちの姿をみて、「楽しんでもらう」という点では目標を達成できたと思う。また、おはじきをノンヴィエン・ノンサ小学校にプレゼントしたのだが、「授業に使おうと思う」と先生方がおっしゃってくださったので、少しでも学校の教材に貢献できてうれしく思った。
高学年班授業
【授業テーマ・具体的な授業内容】
<高学年班>
目標:授業を通して、学ぶ楽しさを知る。
高学年班は浮力を利用した理科実験とペットボトルを使った濾過実験を行った。視覚的に不思議で面白い現象がなぜ目の前で起こるのかという疑問について、子どもに考えてもらいたいという思いから目標を定めた。
【感想】
国内のミーティングでは、一人一人が納得するまで議論を続けた。また過去のインタビューデータから、現地の子どもたちにとってプラスになる授業とは一体何か、と考えるとなかなか答えが出ないという時期もあった。しかし現地の小学校で発表する際には、毎週の班ミーティングで班員全員の意見を取り入れて作りあげた授業だったので、緊張と同時に強い喜びを感じた。
渡航が無事終わり、スーンの授業作りを振り返ると、「子どもたちが授業を楽しみ、勉強をほんの少しでも楽しい」と感じてくれることが重要なのではないかと思った。スーンの渡航回数・期間は限られている。私たちの活動は子どもたちの学校生活の中ではほんの一部かもしれないが、そのわずかな時間の中で、「勉強って楽しいな」と思ってもらえるように微力ながらも貢献できるなら、それ以上に私たちにとって嬉しいことはない。
【よかったところ・反省点】
今期高学年班の良かった点は、全ての班員の意見が尊重され、授業が行えたことだと思う。また、備品に余裕を持って渡航したため、備品が不足するという事態には陥らなかった。しかし、反省点として現地でのリハーサルができなかったことが挙げられる。日本国内と授業前夜のリハーサルは必須である。事前に確認しておけば防げたであろうミスが授業中に起こってしまったので、来期は時間に余裕を持ち、入念に現地での準備に取り組みたい。
色々とハプニングは起こったものの、現地の先生方は「次回の渡航を楽しみにしている」とおっしゃって下さったので、とても励みになった。今後の活動も、16期の経験を活かしつつ、頑張っていきたい。
フェアウェルパーティー
【内容】
学校での活動の最後の日に行うフェアウェルパーティー(お別れ会)では、色紙や色画用紙を用いて、全学年でちぎり絵を実施しました。全校生徒で可愛らしい1つのちぎり絵を作ることができました。
【感想】
子どもたちは最初、普段見慣れない色紙に戸惑っている様子でしたが、だんだんと楽しそうにちぎったり、貼ったりしていました。笑顔で作業している姿を見られたことは嬉しかったです。
また、どちらの小学校でもその場で職員室に貼っていただけたことが印象的でした。先生方にも喜んでいただけたようで良かったです。
【良かったところ・反省点】
途中から幼稚園生が参加したりなど、想定していないことがあったけれど、臨機応変に対応できた点は良かったと思います。また、できるかぎり日本で準備していったこと(台紙に両面テープを貼っておく等)で、当日スムーズに行うことができました。
一方、班ごとに完成する時間のばらつきが出てしまいまったのは反省点です。班を分ける際になるべく年齢に差がないようにすべきだったと思います。
先生交流
【アクティビティ内容】
先生交流とはスーンメンバーが約一年ぶりに先生方にお会いし、アイスブレイクを目的としたアクティビティである。16期の先生交流では挨拶→日本の伝統的な遊び(福笑い、お手玉)→ダンス(ラジオ体操)の流れで行った。スーンメンバーだけでなく、先生も一緒に参加してもらえるようなアクティビティを用意した。
【感想】
今回は、大きく二つに分けて日本の伝統的な遊びとラジオ体操を行った。日本の伝統的な遊びは、お手玉と福笑である。以前渡航した際にドラえもんの歌が村に流れていたので、お手玉を投げる際にドラえもんの曲を使うという工夫をした。福笑いはメンバーの手作りを持参した。ラジオ体操は、第一体操を先生方と一緒に踊った。
久しぶりの再開となるので、お互いやや緊張していたが、交流後は交流前に比べて和やかな雰囲気が流れていた。今年もよろしくお願いします、という挨拶・アイスブレイクの役割を果たす先生交流は、来期以降も続けていきたい。
【よかったところ・反省点】
良かった点としては、アイスブレイクの目的を無事に果たせたということである。また、ラジオ体操第二も用意していたが、先生が第一で満足していらっしゃたように見えたので、両小学校でカットした。班員と振り返りを行い、この判断は正しかったと考えている。しかし、反省点としては先生交流の前に行った役所訪問がかなり長引き、先生方を長い間お待たせしてしまったということだ。内容を最低限にするなど、もう少し臨機応変に対応できたのではないかと思う。来期の渡航に活かしたい。
村人交流
【アクティビティ内容】
ノンサ村で村人交流を行った。
一日の過ごし方と一年間のスケジュールを教えてもらう季節カレンダーを村人の方に書いていただいた。
ただの調査になってしまわないように、アイスブレイクとして日本の盆踊りを村人の方と一緒におどって、文化交流的な要素もいれるようにした。22名の方に参加していただいた。男性の方が女性より多く参加してくださった。一日の過ごし方では、昨日、起床から就寝まで何をしたかを書いていただいた。文字を使わずに記入できるように、絵をかく想定でペンや色鉛筆を用意したが、絵をかくこと自体が難しかったようで、ほとんどの方が文字で記入してくださった。
季節カレンダーでは、月ごとに、1から5まで数字で忙しさを評価する、「仕事量」、「仕事内容」、「はやり病」、「イベント」、「その月にあった顔文字」の5つの項目を男女別のグループごとに書いていただいた。絵を描いてくれるグループもあった。「その月にあった顔文字」とはスマホなどで使う、嬉しい、悲しい、焦っているなどの顔文字をプリントアウトしてステッカーのような形であてはまるものを月ごとに選んでいただいた。仕事が忙しい月ほど焦っている表情の顔文字を選ぶグループが多かった。ステッカーにしたことでより簡単に項目に答えることができたように思えた。
【感想】
20名ほどのイベントになると想定していたが、村人交流のあとに「バシー」という儀式を開いてくださることになったこともあり、50名ほどの方が会場にいらっしゃった。全くの初対面の方も多いので打ち解けてイベントに参加できるか不安だったが、日本のお茶やお菓子を用意したり、アイスブレイクとして盆踊りをおどったりして、笑顔になってくださる
方がいて安心した。ノンサ小学校の先生方も参加してくださって、季節カレンダーなどグループで作業する際に非常に協力的でうれしかった。
【よかったところ・反省点】
想定よりも多くの方がいらっしゃって、お茶やお菓子が少なすぎたり、プリントが足りず全ての方に一日の過ごし方や季節カレンダーなどのアクティビティに参加していただけなかったりしたことが反省点である。村人交流は事前に通訳のボビーに20名ほどのイベントにしたいと連絡していたものの、人数は予想できないものとして、想定よりもかなり多めに備品を準備していくと安心だと思う。また、絵は字よりかくことが難しい反面、シールはかなり村人の方にとっても使いやすいものだという発見があった。高齢の方でおそらく文字をかかないという理由でアクティビティに参加されない方もいて、もう少し文字などの情報に頼らない交流をしてもいいのではないかと思った。盆踊りでは私たちスーンメンバーが踊っている姿をみて笑顔になってくださる方が多く、アイスブレイクはこうした交流に必須だと思う。指差し会話帳をもって村人交流にのぞんだが、実際はコミュニケーションをうまく取れないこともあり、もう少しラオス語を勉強してからこういった交流会を開くべきだと思った。ただ、村人の方はアクティビティが終わった後に手作りの料理をふるまってくださるなどとても温かく迎え入れてくださる姿が印象的だった。
家庭訪問
1月2日にノンヴィエン小近くに住んでいる方に家庭訪問させて頂き、インタビューをしました!
とても優しい方々で、スーンの質問に丁寧に答えて下さりました。
スーンについて存じ上げて下さっているそうで、歴代のスーン先輩方の活動の素晴らしさを改めて感じました。
図書調査に関する質問を用意していたのですが、ご家庭のお子さんが小学生で無く、あまり詳しく聞けなかったのが反省点です。次回渡航ではより綿密な準備をし、家庭訪問に臨みたいと思います!
図書調査
【活動内容】
スーンでは以前、10期のときにノンビエン・ノンサ小学校に本を寄贈したことがありました。16期では来期で本を寄贈しようと計画しました。まず、過去にスーンで寄贈した本の状態をチェックし、分析することにしました。分析したデータを参考にして寄贈内容を決めることにしました。
現地での活動としては、図書館の全体の外観の確認・本の状態確認をメイン
に行った。本の状態チェックの方法としては、表表紙・適当な中のページ・裏 表紙(貸出カードのついている所)+損傷又は補修痕があるところの4点に焦 点をあてて、スマートフォンで写真を撮った。照合作業は落丁・破れがあるか、図書カードがあるか、最終貸出日はいつかを点検していきました。
全く読まれていないような本がある一方で、ボロボロになろほど読まれている本があったので、子供たちのニーズに合わせた本を寄贈していけたらなと思います。本の補修も並行して行っていきたい。