第3期活動報告 The Report on the 3rd period


2010年8月31日から2010年9月13日までの期間で実施いたしました、第3期渡航の活動状況に関しての活動報告書をご紹介します。

 以下は、報告書の中より抜粋した活動に関する記事の一部となります。

 

なお、第3期報告書の全体は「コチラ」よりダウンロードできます。

(pdf形式:約274MB)

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「ラオス学校建設教育支援プロジェクト~スーン~」に帰属します。





第3期報告書「2010年夏渡航 報告書」

概略

 

○ ○ ○ 活動日程 ○ ○ ○ 

 

日 程

主 な 活 動

8 31

日本出国(成田発タイ・バンコクへ)

バンコク経由 ウボンラチャターニー着

現地泊

91

ラオス入国(陸路、チャンパーサックへ)

チャンパーサック着

先生・村長へ挨拶

92

ゴミ対策班企画

ごみ埋め・絵合わせ

93

衛生班企画

クイズ大会

94

越班企画(班合同企画)

サッカー大会

文化班企画

文化調査(村の長老へのヒアリング)

95

ワットプー散策

ノンヴィエン村の古代遺跡散策

96

パクセー散策

97

ノンサ小学校訪問

「手洗い歌」の復習

文化班企画

お宝自慢大会

98

衛生班企画

歯みがき劇、VCD鑑賞

文化班企画

アンケート調査(文化面)

99

ゴミ対策班企画

ごみ掘り、映像学習

文化班企画

アンケート調査(生活面)

910

フェアウェル

タイムカプセル、歌、バーシー

文化班調査

文化調査(伝統的な織物文化を守る村人へのヒアリング)

911

ラオス出国(陸路、ウボンラチャターニーへ)

ウボンラチャターニー経由 バンコク着

現地泊

912

バンコク観光

タイ出国(バンコク発 成田へ)

913

日本帰国

解散

 

  

○ ○ ○ 各班活動紹介 ○ ○ ○

 

文化班

記事:くるみ

◆ 活動概要

私達文化班は前回までの文化遺産教育から一旦離れ、今回は“今後の支援を考えていくために現地の人の目線に近付けよう”を目標に、子供たちへの生活・文化の記述アンケート、子供たち以外の村人へのアンケートとして長老と女性同盟の方、そして今チャンパサックで衰退している機織りをされている女性へのインタビュー、日本・ラオスの文化の紹介のためにメンバーと子供たちのお宝を紹介するお宝自慢大会の計3 つのアクティビティを行いました。

 

長老へのインタビュー94日)

私達自身が初めてのインタビュー形式の調査で緊張していたこと、また長老の記憶が曖昧だったこともあり、残念ながらあまり多くの話を聞くことはできませんでした。実際に活動してみて、改めて調査の難しさを痛感しました。

◆ 機織りをされている女性へのインタビュー910日)

最終日に、ゲストハウスの近くで機織りをしているサーさん(63 歳・女性)にインタビューをしました。主に、織物の衰退と現状(どうやって材料を調達しているのか、どの位の人が続けているのか)について聞き取りを行いました。

 

 

◆ お宝自慢大会97日)

今回の文化班の目標に対し、相互理解という視点においても活動しました。お互いの文化の違いを子供たちが分かりやすいようお宝自慢という形で行い、私達メンバーも日本から各々の宝物(子供の時大切にしていたもの)を持って行きました。

この企画をいざ行うとまずグループ内でお互いのお宝を紹介する際に言語の壁にあたりました。子供たちの説明は勿論、こちらが説明するにも全て言語が必要となり5 生は雰囲気で解釈してくれても1 年生などはお絵かきの時間となってしまったことが多かったです。加えて前にでて発表する際は勿論、グループ内での発表でもあまりに長いのかおとなしく聞くということがつらかったようです。

子供たちの興味のあるものを私達が理解することはできましたが、今後は小学生相手だということを充分に考慮して小学生が理解できる企画内容を固めていこうと感じました。

 

◆ 子供たちへの生活・文化の記述アンケート9 7 日~8 日)

最初30 問程あった質問を長いと感じ半分の15 問まで減らし、それを生活と文化の分野の二つにして二日間行いました。対象は小学35 年生と卒業して遊びに来ている中学生を対象に行いました。

アンケートの中で一番興味深かったのは子供のタイムスケジュールです。普段子供たちと遊んではいるけれど一体どんな生活をしているのかさっぱりわからなかった私達にとってとても有益な情報でした。

全体を通してアンケートはラオスの村人たちにとって不慣れなものであり、紙に記入してもらうことは勿論、口答でのインタビューにもなかなか苦戦しました。次回以降の渡航においてもアンケート調査を行うならば、そのことへの配慮が大切だと感じました。

 

 

衛生班

記事:ポン

◆ 活動概要

衛生班の最終目的:

「個人の衛生環境改善による+αの幸せを」

長期的視点におけるステップ:

①新たな衛生習慣を(←渡航にいって感じた衛生的な問題)

②夏渡航で、調べた衛生問題への対処

③衛生習慣の徹底→チャンパーサック県以外にも

夏渡航における目的:

「手洗い習慣の確認と手洗い後、うがい、爪切り、歯磨き習慣への気付きを促す」

 

◆ クイズ大会

目的:

手洗い習慣の確認、手洗い後、うがい、爪切り習慣を気付かせる。

活動内容:

当日は、雨が降っていたので、教室内で実行。生徒数50 を半分に分けて、学年別にグループになってもらいクイズ大会を行った。質問数は4

• 手はいつ洗うべきか。

• 手洗い後はなにをするべきか。

• うがいはいつするべきか。

• 爪がのびたらどうするべきか。

 

結果:

意外といったら失礼だが、ほぼ正解していた。また、4 問目の出題時に爪を見せてもらったのだが、多くの生徒が爪をきっていた。また、ブンマー先生(現地の先生)に最後に僕らの台本を読んでもらったのだが、そのとき、生徒の集中力が上がったのがわかった。今後、衛生班の活動に限らず、先生を活動に組み込んで活動するほうがベターだろう。

 

手洗いの実践と名簿つくり

目的:

手洗い後の処理の教育と、今後に向けて生徒を把握。

活動内容:

クイズ大会で半分に分けられた半分の生徒数と行った。

手洗い後にタオルで拭くことは日本で当たり前だが、ラオスでは当たり前ではない。

実際にタオルがあるところを僕は見たことがない。じゃあどうやって教えるべきか。

僕たちは悩んだ。解決策として選んだのは、実際にタオルを配布することであった。

名簿作りの活動に関しては、渡航直前に決まったもので、生徒の名前を渡航中に覚えるのではなく、

渡航前に覚えておくべきという考えから出来たものであった。

 

結果:

手洗いを実践したら、タオルをもらい、手を拭くという一連なのだが、途中タオルをもらいに来る子供だけいて、少し混乱した。

 

歯ブラシ劇

目的:

歯磨きの大切さを楽しんで知ってもらう。前回生徒の多くが歯が汚いということを感じたので、このようなことをやることになった。

内容:

前回の世界遺産班の劇と同様、ブンミー君(ちゅーそん)を主役にして、分かりやすい内容を心がけた。歯磨きをしないと歯が痛むんだよというメッセージを伝えたかった。

結果:

前回の反省から、時間を短く、セリフを短くして望んだ結果、子供が飽きている様子は見ず、むしろ奇抜なコスチュームからか、興味津々であった。次回、本当に実践できているのか確認したい。

 

◆ 今後に向けて

2010 年夏の渡航での活動は、あくまで長期的ステップの一部で決して僕たちは満足をしていない。まだまだやるべきことはあると思う。歯磨きについては、今回がプロローグであったため、次回の渡航でも歯磨きの活動は継続していきたい。一期目の活動時に訪れたノンサ小学校に一年ぶりに再訪した際、子供たちは手洗いの唄を覚えていた。僕らはとてもそれに感動した。僕らの活動が人々の記憶に残っているということを実感した。教育という形に見えないもので、効果を見ることは難しいが、だからこそ、やりがいがあることである。今後も続けていくべきだ。

 

 

ごみ対策班

記事:めるめる

 

◆ 活動概要

ごみ対策班(以下;ごみ班)の長期的な目標は、「村の人々が自主的に、ごみ処理について考えるようになること」です。ごみ班は、1回目の渡航に行ったメンバーの間で、“ラオスにはごみがたくさん落ちていた。何とかしなければいけない!”という指摘から生まれた班です。今回の渡航では、一歩進んで、燃えるごみ(消えて土に還るごみ)と燃えないごみ(消えずにずっと残り続けるごみ)について子どもたちと一緒に考えてみることにしました。

 

◆ 絵合わせ92日)

三班を代表してのトップバッター企画、絵合わせを子どもたちと一緒に行いました。トランプの神経衰弱の要領で、裏返しになっているカードを2枚ずつめくっていきます。

次に、同じ写真を見つけたら、その写真にあるごみが“消えて土に還るごみ”なのか“消えずにずっと残り続けるごみ”なのかに分けてもらいました。全体で答えを共有し、さらに答え合わせをしたあとで、何度も繰り返しやってもらい、消えるごみと消えないごみの認識を正しくしっかりと出来るようにしました。子どもたちはゲームが大好きなので、とても楽しい雰囲気で行えた企画でした。

 

◆ ごみ埋め(92日)

絵合わせで、“消えて土に還るごみ”と“消えずにずっと残り続けるごみ”の認識をつけてもらった後に、校庭に出て、本当に“消えずにずっと残り続けるごみ”が消えないのかを視覚的に理解してもらうため、実際に埋めて数日後に掘り起こすという企画を行いました。

ごみを埋めるという行動に子どもたちも興味津々で、穴の周りは、ごみを覗く子どもたちでいっぱいになりました。最終日に掘り起こす約束をして、ごみ対策班1日目の企画は終了です。

 

ごみ掘り(99日)

一週間前に皆で埋めたごみを掘り起こしました。雨季だったので流れてしまわないか心配でしたが、目印に割り箸を立てておき、そこを掘り返すと・・・どろどろになったビニール袋、缶、ペットボトルが出てきました。出てきた瞬間、子どもたちが「ボーララーイ!(消えない!)」と叫んでいて、消えないごみという存在を、少しはわかってくれたかなと感じました。

 

◆ 映像教育(99日)

消えないごみがあるとわかってもらった後で、フィリピンにおける、ごみ山の崩落事故についての映像を子どもたちに見てもらいました。座学は今回が初めての試みで、不安もたくさんありましたが、通訳をお願いしているボビーが、ごみ山の崩落時に被害にあったフィリピン人女性へのインタビューの場面を上手に翻訳してくれたおかげで、皆真剣に映像を見て、語りを聞いてくれました。子どもたちを飽きさせないように、ごみやごみ山、そこで暮らす人々の写真を子どもたちに回したりもしました。ゲームやクイズの要素が無くても、子どもたちに大切なことを伝えられると感じた、非常に収穫の多い企画でした。

 

◆ クイズ(99日)

映像教育の後、消えないごみの使い道の例を教えるため、ペットボトルや使い終わった紙が何に生まれ変わるのか、日本のリサイクル技術をクイズ形式で紹介しました。そして生まれ変わるその過程を、図を見せながら説明しました。ペットボトルが服やペンに生まれ変わるという予想外の答えに、子どもたちもびっくりしていました!

 

 

 

○ ○ ○ 個人感想文 ○ ○ ○

 

メンバーが第3期の渡航で触れたこと・感じたことなど、自分たちの思いをそれぞれの言葉で熱くつづっています。スペースの都合上、残念ながら、こちらではご紹介できませんが、現地での経験を振り返って紡ぎ上げた、メンバーのメッセージです。

 

ページ上部でご案内している報告書のpdfファイルをダウンロードして、ご覧いただけますと幸いです。

 

 

 

○ ○ ○ スペシャルサンクス○ ○ ○

 

活動にあたり、非常に多くの方々のご協力をいただきました。心より感謝いたします。

(敬称略、順不同)

 

西村正雄  箕曲在弘  早稲田大学平山郁夫記念ボランセンター(WAVOC

一般財団法人民際センター  株式会社三菱ケミカルホールディングス  株式会社三菱メディア

株式会社キュー・テック  メモリーテック株式会社

岩月祐二  北田綾  林雄一  秋吉惠  

ノンビエン小学校のみなさん  ノンサ小学校のみなさん  サヤボン

ピエンマニー・サイトーン(ボビー)

メコン・ウォッチ  株式会社日吉  認定NPO 法人ICAN  社団法人海外環境センター(OECC)

阿部友子  藤井香澄  田口明沙